【丸の内のモテ・ヒエラルキーの頂点!大手総合商社マンの華麗なる独身生活】
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仕事がデキて女性には不自由しない、まさにエリートサラリーマンの代表ともいうべき大手総合商社マン。
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「丸の内」で「メジャー」に「モテる」彼らを「3M男子」と命名し、その華麗なる独身生活を暴く!
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【主人公】
広島県出身の33歳。一橋大学卒業後、大手総合商社に就職。20代後半の2年をNY駐在員として過ごす。趣味は筋トレとサッカー。彼女いない歴3年だが、彼女候補は多々存在している。代々木上原在住
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【story】
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【商社マンの送別会は女子を交えたお食事会】
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『SPA大手町 FITNESS CLUB』でいつもどおり30分トレーニングをしたあと携帯を見ると、送別会の店選びを任せておいた後輩からメールが入っていた。
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〝『欧州小皿料理 沢村』で19時スタートです。知り合いの女子が何人か来る予定です。〟
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金曜はジャカルタに赴任する同期の送別会。男だらけってのも味気ないから、知り合いの女性が参加することが多い。つまりは送別会という名のお食事会である。
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来月に旅立つ同期とは10年以上のつき合い。ジャカルタ赴任は大きな出世で新プロジェクトのリーダーをまかされたとか。
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エールは送るが、内心では少し悔しい。
俺も33歳、そろそろ2回めの海外赴任があってもいいタイミングだ。ただそうなると、赴任前にやっぱり結婚はしておきたい。
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一度めの赴任はNYに2年、次は4〜5年ほど赴任する可能性が高い。ひとりで行くのは寂しいし、帰国後に独身アラフォーでいるのは商社じゃマイノリティ。
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ただ、今、特定の彼女がいるわけではない。「本命」の決め手ってなんだろう?
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20代から飲み会の誘いは絶えずあり、出会いに困ったことはない。代理店や金融の男友達から誘われることも多い。女性幹事が美人を揃えるのに腕をふるうように、男幹事にとって商社マンは手堅いコマだろう。
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20代は定番のCAからモデル、受付嬢など王道な女子。30代になると、医者、弁護士、アーティスト、編集者などバラエティに富む相手に変わっていった。今までそういう場で多くの女性と出会ってきた。
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しかし、付き合うことになった女性は少ない。結婚に至るまでの確率は数百分の1以下。結婚の難しさを改めて考える時もある。
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【新丸ビルの7Fで幾度となく、恋の始まりを経験してきた】
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今日の女子たちは後輩の大学の同級生とその友達。ひとりは丸の内の金融機関に勤務していた。
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「会社近くのジムに行こうとも思うんですけど皇居ランの方がお金もかからなくていいかなって」
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話ぶりも真面目で、派手じゃないけど美人。
二次会は同じフロアの『REGOLLET』。
「ここ、意外とワインリストが凄くいいんだよ。有名ソムリエが監修した世界中のものが揃う」
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ワインオタクの同期がそう教えてくれた。商社にはこういうハイソなやつもいれば俺みたいに地方から出てきて国立大学に行って、大学時代はすた丼ばかり食べて、社会人デビューってのもいる。
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上京して東京駅に着いた時、丸の内のビルの高さに驚いたけど、そこで自分が働いて飲み会をするとは。
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「私、新丸ビルから見る東京駅の夜景好きです」
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気になる彼女の素朴な一言に、自分と似た何かを感じていた。男でもある「ビビッときた」ってやつ。
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【丸の内の「恋愛あるある」。ランチタイムの偶然の遭遇】
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3連休あけの火曜出社、早朝から一気に働いたから、早めのランチを考えた。よく行く『サングリア』の容赦なく辛いタイカレーにしようとしたけど、あそこは月曜が青唐辛子の漬け物のサービスデーだから、今日はやめておく。
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となると、『セラフィーナニューヨーク』が第一候補。
NY赴任の時に本店にしょっちゅう行っていたから馴染みがある。
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パスタセットが1,100円と手ごろだし、店は会社の向かいのホテルの地下にあるからすぐに行ける。
うちの会社は2棟あるけどホテル側の棟の方がやはりこのビルの常連が多い。ランチを11時から始める店が集まるのもいい。
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店に入ると、先週末に出会ったあの彼女がひとりでランチをしていた。ご近所さんとはいえ、まさかの偶然。
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「あれ、先週会った……」
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と声をかけ近寄ると、彼女もすぐに気づいて明るい笑顔でこちらを見上げてくれた。
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「よくここ来るの?」
「はい、ボリュームもあるしテラスも好きで」
「俺もテラスでよく食べてるよ」
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その日は小雨がパラついて外には出られなかった。
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「今度晴れている日にどこか外でランチどう?上のホテルのテラスとか、新丸ビルでも」
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まだちょっと先の話だけど、丸の内って実は紅葉もきれい。
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「じゃあ、スケジュールをLINEするよ」
「当日でも気まぐれに誘ってくださいね」
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何度もこんな出会いは経験してきた。そして、失敗も重ねてきた。それでも、恋の始まりはドキドキするもの。はやる気持ちをおさえ店を出る。
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