まるで異世界 日本最東端「花咲線」の車窓に映る幻想的な風景/道東 最果ての旅
ついに念願が叶い、私にとって長年の憧れの地である 道東への旅が実現することとなった。 今回の旅程をざっくり説明すると、熊本市での仕事を終えてそのまま 福岡空港へ向かい、いったん関西空港へ向かう。 大阪の泉佐野のホテルで一泊し、翌朝釧路空港へ飛び立つ。 そこから電車で日本本土最東端である根室市に向かい、 北海道内を移動しながら最後は新千歳空港から福岡空港に 帰るという極めてハードなスケジュールである。 道東、特に根室は私にとって長年の憧れだった。 北海道をよく知る人からは何故根室?と不思議がられるが 私自身その気持ちを理屈では説明することが難しい。 強いて言えば、子供のころに写真で見たスコットランドの岬が、 根室の岬によく似ていることは理由のひとつだ。 どうせなら、自分が日ごろ目にしている光景とは全く別のものを見たい。 それが旅行の醍醐味であるし、道東は そんな願望を叶えるのに最適な地だと思う。 ほぼ定刻通りに関西空港へ到着した。 関西空港にある駅から泉佐野まで電車で数分の距離だが、 早速道に迷い、駅がどこにあるかわからなくなった。 どうやら着陸した第二ターミナルから駅のある第一ターミナルまでは 無料のシャトルバスが運行しているようだが それを知らぬまま数十分かけてターミナル間を徒歩で 移動することになった。 先が思いやられる旅の始まり。 なんとか終電には間に合ったようだ。 ただ一晩寝るだけにはもったいないような部屋だった。 明日は朝からホテルの無料送迎バスを利用して再び関西空港へ。 関西空港発釧路空港行きは9:00頃出発予定だが、 混雑を避けるため早めにホテルを出た。 本日釧路空港周辺は濃霧により視界不良。 関西空港へ引き返す可能性がある旨伝えられる。一抹の不安がよぎる。 確かに釧路は霧の街として知られるが、この季節は晴れている ことが多いはずなので、意外だった。 釧路空港は霧対策が進んでいるため視界不良でも着陸可能な システムを導入しているとのことだが、それも完ぺきではない。 もし釧路に到着できなければ、すべての計画が水の泡である。 しばらくショックから立ち直ることができないだろう。 それにしても雨の空港は美しいと思う。 「雨に煙った飛行場はモノクローム」から始まる キリンジの歌の歌詞を思い出す。 着陸体制に入るが、濃霧で数十メートル先すら見えない。 何度か着陸を試みては再び上昇を繰り返す。 正直に言ってしまえば、この時点で私は今回の道東旅行を諦めかけた。 ほかの乗客も同じ気持ちだったのではないかと察する。 無事着陸に成功し、乗客から一斉に拍手が起きる。 出だしからドラマが尽きない旅だ。 ちなみにこの日は、霧対策のシステムに対応していない小型機は 軒並み運航中止になったようだ。 想像通りの道東の景色が出迎えてくれた。 やはり霧の街 釧路だ。 空港から駅に向かうバスに乗り込むと、早速私の日常の 景色とは全く異質の風景が窓越しに飛び込んでくる。 それは冷たく、コントラストの弱い景色だ。 この釧路駅からJR根室本線に乗り、日本最東端の 有人駅である根室駅を目指す。 飛行機の到着が予定より2時間以上遅れたため、 次の電車の時間までしばし待つことになった。 花咲線の愛称で知られるこの列車に乗り、およそ3時間ほど 揺られたらそこは最果ての町だ。 この景色を退屈と思うか、美しいと思うかで人の感性が別れるのだろう。 私はもちろん後者だ。 道東の霧は暖かい空気が冷たい海水によって 冷やされることで発生するという。 通常春から夏にかけて最も霧が発生しやすくなるのだが、 まだまだ寒い3月でもこの様子だ。 亜熱帯のような九州育ちの私からすると、 どこか遠い異国の地か、あるいは別の世界を旅している気分だ。 若いころによく観たアンドレイ・タルコフスキーの映画の中のような、 そんな冷たい美しさがこの地にはある。 そんな花咲線の愛称で知られるJR根室本線も 常に廃線の噂が絶えない。 この小さな列車の車窓から見える圧巻の景色も そのうち見ることができなくなってしまうのだろうか。 それはあまりにも、あまりにも寂しいではないか。 地元の学生たちは、車窓から見える景色になど目もくれない。 当たり前だ、彼らは毎日この風景を見て暮らしているのだから。 誰かにとっての日常が、他の誰かにとっての 非日常になり得るのだと改めて感じた。 列車に乗ってからずっと、日が暮れて何も見えなくなるまでの間、 私は車窓から見える景色に釘付けになっていた。 ついに念願の、最果ての町に辿りついた。 この根室駅は有人駅としては日本最東端の駅であり、無人駅を 含めるとひとつ手前の東根室駅が最東端となる。 気温は2度だが、強風と道東の海沿い特有の 霧によって体感温度はかなり寒い。 ちなみに私が暮らす熊本市はこの前日、 25度の夏日を記録していた。桜はやがて満開を迎えるころだ。 日本列島は南北に長いという事実を 文字通り肌で体感することとなった。 それにしても、幻想的な光景だ。 私が長年思い描いてきた根室の姿だ。 今夜は根室市街地のホテルに一泊し、明日へ備える。 子供のように胸騒ぎがしてなかなか寝付くことができなかったのだが。
2023年3月、長年の念願が叶い、日本の本土最東端である北海道は根室市を旅することになりました。
今回の動画では、福岡空港から関西空港に飛び、泉佐野市のホテルで一泊、翌朝には釧路空港に飛んで、JR釧路駅より花咲線に乗って日本最東端の有人駅である根室駅に到着するまでの様子をお伝えします。
私の住む熊本からは北東へおよそ1800キロ、日本列島横断の旅となりました。
花咲線から見える霧に包まれた幻想的な風景は、まるで遠い異国の地か、あるいは別の世界のよう。
他では絶対に見ることができない景色の連続に、思わず終点まで車窓に張り付いてしまうほど。
なお次回からは、根室市を始め道東の壮大な自然の景色を中心に、数回に渡って動画をお届けする予定です。
全国の離島や山村、古い町並みを中心に旅して、動画にしています。チャンネル登録と高評価をしていただけると、とても励みになります。
ともに「知られざる日本」を旅しましょう。
※この動画は、2023年に運営していたチャンネルにて公開したものの再編集版です。
■福岡空港
https://maps.app.goo.gl/rZ63SPbYkcZjbQCW7
■関西国際空港
https://maps.app.goo.gl/YzqnCAadtBf2hkv66
■たんちょう釧路空港
https://maps.app.goo.gl/r6G7XLYtjyhQxmNh8
■釧路駅
https://maps.app.goo.gl/jG5HjZXcyyVLmaRS9
■根室駅
https://maps.app.goo.gl/2AeEvkUyPuRWWzGQ9
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