熊野川のほとりに鎮座する「約束の地」、熊野三山の本宮:和歌山県・熊野本宮大社(Kumano Hongū Taisha | One of the three Kumano shrines)

※本動画での一部場所の撮影につきましては、条件付きで許可を得て行っています。また、本動画は数年に渡って撮影しているため、現在とは異なるところがある旨、ご了承下さい。

▼チャプターリスト(目次)
0:00 オープニング
0:30 発心門王子
1:04 発心門王子~水呑王子
2:21 水呑王子
2:50 水呑王子~道休禅門地蔵
4:35 道休禅門地蔵
5:04 道休禅門地蔵~伏拝王子
5:46 伏拝王子
6:28 伏拝王子~三軒茶屋跡
7:09 三軒茶屋跡周辺
7:35 三軒茶屋跡~祓殿王子
9:11 祓殿王子
9:42 熊野本宮大社 参道
11:40 熊野本宮大社 拝殿
12:45 熊野本宮大社 本殿
14:28 熊野本宮大社 末社
15:32 大斎原

どうも、管理人のヒロリンです。

今回から3回連続にわたって、世界遺産にも指定された、多様な信仰が織りなす古代からの聖地、熊野三山を紹介したいと思います。第1回目となる今回は熊野三山の中核を担う社、熊野本宮大社(熊野本宮大社)を紹介いたします。

熊野古道がある和歌山県紀伊半島は、本州最南端に位置し、日本最大の半島。『古事記』、『日本書記』において、紀伊半島は重要な意味を持つ地でした。

九州東南部に降り立った天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の子孫である初代天皇・神武天皇は、日本の平定のため東征を開始。順調に地方の神々を平定しながら東進した神武天皇一行でしたが、熊野の地で、この地を治める神と苛烈な戦闘となり、神武天皇の3人の兄が亡くなりました。

そんな悲劇を味わいながらも、やがて熊野を平定した神武天皇一行は、霊獣である三本足のカラス・八咫烏(やたがらす)の道案内により大和の地へと至ります。そして神武天皇は初代天皇に即位し、日本が建国されました。熊野ではこの八咫烏が神使として信仰されています。

熊野古道は、熊野三山と呼ばれる熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社と各聖地を結ぶ道です。熊野の地は神仏習合が進んだ地でした。四方から集まる古道は、神道、仏教、修験道など多様な信仰をもった人々が訪れました。

熊野は早くから、修行僧によって浄土往生の地として認識されていました。平安時代初期には、那智山の応照上人は「生きながらに身を焼いて、浄土へ往生する」とする、壮絶な苦行を自らに課したと伝承が残っています。

やがて神仏習合の思想が広まると、熊野三山の神々にはそれぞれ同一視される仏が付与されました。

熊野本宮大社の御祭神は阿弥陀如来、熊野速玉大社の御祭神は薬師如来、熊野那智大社の御祭神は千手観音を祀っており、熊野三所権現と呼ばれます。

平安時代中期になると、三所の各殿にさらに九所の神々が祀られ、熊野十二所権現となりました。極楽浄土を主宰する阿弥陀如来や、薬師如来の瑠璃光浄土は、浄土世界への往生観と深く繋がり。熊野はこの世ではない浄土の地として信仰されるようになりました。

熊野は熊野灘に臨んで海の彼方に他界を見る「よみがえりの聖地」と崇められ、一説には熊野速玉大社は過去、熊野那智大社は現在、熊野本宮大社は未来をそれぞれ救済するともいわれています。

平安時代から熊野時代に、上皇や法皇が盛んに熊野詣を行いました。やがて武士や庶民がこぞって熊野に押し寄せるようになり、その様子は「蟻の熊野詣」ともいわれました。こうして三山とほかの霊場を目指す参詣道が整備されたのです。

そんな熊野古道は大きく分けて6本の道がありますが、紀伊半島の沿岸部をなぞるように通る紀伊路、大辺路、伊勢路以外の3本の道(中辺路、小辺路、大峯奥駈道)は熊野本宮大社に繋がっており、まさに同社は熊野信仰の中核をなす神社といえます。

そんな熊野本宮大社は、かつては「熊野坐(くまのにいます)神社」と呼ばれ、全国にある熊野神社の総本宮です。

熊野本宮大社の神域は広大で、神域の入口は熊野古道中辺路の途上にある発心門王子(0:30)。発心門王子は格式高い五体王子の一つ。12世紀ごろまで通常の王子社でしたが、王子名の由来にもなった大鳥居が立ち、「発心門」つまり「悟りの心を開く入口」とされていました。かつて熊野詣の旅人は発心門王子から本宮の神域に入ると認識し、発心門王子を潜ることに大きな意義を見出していたといいます。

そんな発心門王子を通り過ぎると、集落の間を縫う舗装路の旧道(1:04)。棚田が広がる里を過ぎ、緩い坂を下ると現れるのが水呑王子(2:21)。古来湧水のあった場所で旅人の喉を潤した場所。そこを通り過ぎると、熊野古道らしい林の中の地道となります。その途中で「道休禅門地蔵」と呼ばれる石仏に出会います(4:35)。昔この辺りで行き倒れた巡礼者を供養したもので、熊野詣での過酷さを現在に伝えるものです。

林を抜けると、伏拝集落。左手に果無山脈の雄大な景観が望めるこの集落を抜けると、伏拝王子が見えてきます(5:46)。春には枝垂れ桜が彩るこの聖地は、山並の間にかすかに本宮大社旧社地の大斎原を見ることが出来ます。昔、熊野参詣の人々は長い旅路の末、ここで初めて聖地を目にし、感激のあまり「伏し拝んだ」のが王子名の由来。

そして、そのまま古道を進むと本宮大社の直前で祓殿王子(9:11)に出会うことが出来ます。本宮大社と隣接する大樹の陰にあり、石造りの小祠が祀られています。この王子は、長かった道中の汚れ穢れをはらい、身を清めて本宮大社に参拝するための禊場。昔の参詣者はみんな、禊を済ませてから本宮大社へと向かいました。

熊野本宮大社で参拝を済ませた後は、旧社地の大斎原へ。田園風景の中に一直線に参道が延びており、日本一の巨大な鳥居の先に旧社地・大斎原があります(15:32)。

かつては熊野川と音無川、岩田川の3つの川に囲まれた中洲で、約1万坪ものこの神域に5棟12社の本殿が立ち並び、楼門がそびえ、神楽殿、能舞台などが軒をつらねていました。しかし、明治22年の大水害でほとんどが流され、流出を免れた上四社の建物が明治24年に約500m離れた高台の現社地に遷されました。

現在では小さな2つの石祠に、社殿が倒壊した中四社・下四社と、境内摂末社に鎮座していた神々がそれぞれ祀られているのみですが、周囲には厳かな空気が流れ、ここがただの旧跡ではないことを物語っています。

Kumano Hongū Taisha is a Shinto shrine located in the jurisdiction of Tanabe, Wakayama, deep in the rugged mountains of the southeast Kii Peninsula of Japan. It is included as part of the Kumano Sanzan in the World Heritage Site “Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range”. The main deity enshrined is Kumano Gongen. All of the ancient Kumano Kodō routes lead to the Grand Shrine.

It was originally located at present Ōyunohara, on a sandbank at the confluence of the Kumano River and Otonashi River. In 1889, it was partially destroyed in a flood and the remaining shrine buildings were relocated at its present site in 1891. Of the original five main pavilions only three were rebuilt. Four deities were moved there and the other eight are still enshrined there in two stone monuments.

In 2000, the largest torii shrine gate in the world (33.9 meters tall and 42 meters wide) was erected at the entrance to the Oyunohara sandbank. It is an official gateway that designates the entrance to a sacred area. It signifies the division of the secular and the spiritual worlds. This torii is called Otorii (o means “great”) and is made of steel weighing 172 tons, which took about six months to make and another six months to assemble.

5 Comments

  1. 流石 動画の中にグイグイ引き込まれて行きます bgmのピアノ曲よく見つけられますね まさか自分で引いていたりして?😮😮🎉🎉❤

  2. 実に神聖な映像ですね🤔ここは必ず訪れたいスポットの一つでもあります。この神聖なスポットを3回にわたりご紹介いただけるとは、ありがたい事でございます🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️いやぁ〜カメラアングルといいカメラワーク、実に勉強になります👍😆😆

  3. 行ってみたいけど、遠くてなかなか行けない熊野大社⛩
    しかも桜の頃なんですね🌸
    数年に渡って撮影されたなんて、すごい大作ですね😳
    一度は実際に訪れてみたいですが、動画で参拝できて嬉しいです🙏✨

  4. 心が洗われました✨
    この動画を作るまで、どれだけの手間がかかったのだろうと想像すると、本当に感動で感謝です。
    動画作成は、まるでご神事のようですね✨
    そして、多くの方に喜ばれていてステキです。

  5. 毎回、ハイクオリティな動画有難うございます。いつかはお参りに行きたい熊野三山詣、なかなか機会に恵まれません。桜の季節は優雅ですね。旧社地は洪水で流されて現在地に御鎮座されたんですよね。南紀は見所満載で一日では回りきる気がしません。いつかじっくり回ってみたいものです。

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